目次
SpamAssassin でスパムメール除去
Fetchmail で収集してきたメールからスパムを除去する。
流れとしては Fetchmail → Procmail → SpamAssassin
Procmail の .procmailrc 内で SpamAssassin に処理を引き渡すことで動作する。
インストール
SpamAssassin と日本語用のスパムルールをインストール。
処理は postfix → procmail → SpamAssassin → procmailで振り分け となるので procmail が入っていな場合は procmail もインストール。
$ sudo apt-get install spamassassin spamassassin-rules-ja
なんか22個インストールされた。
設定ファイル
- SpamAssassin 全体の設定ファイル /etc/spamassassin/local.cf
- ロードするモジュールを記述 /etc/spamassassin/*.pre
- 各ユーザのスパムルール $HOME/.spamassassin/user_prefss
- /usr/share/spamassassin/ に local.cf のテンプレートがある
デーモンの設定
/etc/default/spamassassin を編集して Spamassassin のデーモン spamd の設定をする。
$ sudo vi /etc/default/spamassassin
デフォルトではデーモンとして起動しないようになっている。“ENABLED=1” にしてデーモンとして起動させる。
# Change to one to enable spamd #ENABLED=0 ENABLED=1
他のブログでは “–create-prefs” を OPTIONS= に追加するとありましたが、最初から入ってた。
- –create-prefs : 各ユーザの設定ファイルを作成する
OPTIONS="--create-prefs --max-children 5 --helper-home-dir"
Spamassassin のルールを自動更新する。
#CRON=0 CRON=1
Spamassassin を再起動
$ sudo /etc/init.d/spamassassin restart
こんなエラーがでたが、もう一度再起動したら出なかった。。。ま、いいか。
Restarting SpamAssassin Mail Filter Daemon: No /usr/bin/perl found running; none killed. spamd.
再起動2回目
Restarting SpamAssassin Mail Filter Daemon: spamd.
Spamassassin の設定
プラグインファイルを編集。
$ sudo vi /etc/spamassassin/v310.pre
言語推定プラグインを使用する。
# TextCat - language guesser # #loadplugin Mail::SpamAssassin::Plugin::TextCat loadplugin Mail::SpamAssassin::Plugin::TextCat
個人設定ファイル
個人設定ファイルを用意する。
$ mkdir ~/.spamassassin $ touch ~/.spamassassin/user_prefs
~/.spamassassin/user_prefs の中に
whitelist_from *hoge.ne.jp
とすると、ホワイトリストの設定ができる。
スパムメールを入れるフォルダを用意
スパムメール専用のメールフォルダを作成。フォルダは Thunderbird などのメールクライアントからでも作れる。
以下のコマンドで作ったフォルダがなぜか Thunderbird から見れなかったので、結局 Thunderbird で作ったフォルダを使うことにした。
$ /usr/bin/maildirmake -f _Spam ~/Maildir/
- オプション
- -f : 既存のメールディレクトリにフォルダを作成
- Spam : 作成するフォルダの名前(任意の名前)
- ~/Maildir/ : 既存のメールディレクトリの場所
ついでにスパムメールと誤判定されたメールを入れるフォルダを作成。
$ /usr/bin/maildirmake -f _NotSpam ~/Maildir/
Spamassassin にメールを処理させる
Spamassassin は通常 procmail から呼び出され、スパム判定を行った後に再度 procmail でスパムメールを他のフォルダに振り分ける。
まずは、postfix が受信したメールを procmail に処理させなければならないのだが、方法を2つ見つけた。
- procmail を postfix のメールを振り分ける外部プログラムとして postfix の設定ファイルに記述する
- .forward ファイルでメールを procmail に転送する
最初の方法は設定ファイルを書き換えるので root 権限が必要。2番目の方法はユーザが自分で設定できる。
個人的趣味では2番目かなぁ。
外部プログラムに登録する方法
$ sudo vi /etc/postfix/main.cf
以下を追加
mailbox_command = /usr/bin/procmail
postfix を再起動
$ sudo /etc/init.d/postfix restart
.forward ファイルを使う方法
ホームディレクトリに .forward ファイルを作成する。
$ vi ~/.forward
以下を記述
"|IFS=' ' && exec /usr/bin/procmail -f- || exit 75 「ユーザ名」"
* 「ユーザ名」 の部分は振り分けを行うユーザネームに変更
procmail から Spamassassin を呼び出して振り分け
procmail の設定に関しては詳細を省く。
$ vi ~/.procmailrc
下記を追加する。
# メールヘッダー中に「 X-Spam-*** 」の記述がなければ spamassassin を起動します :0fw *!^X-Spam.* |spamassassin # メールヘッダー中に"X-Spam-Status: Yes"の記述があれば、 # スパムディレクトリにメールを格納 :0 * ^X-Spam-Status: Yes ._Spam/
Spamassassin をテストする
GTUBE と呼ばれる特殊な文字列をメールで送信すると、強制的にスパムとして扱われる。以下が GTUBE 文字列
XJS*C4JDBQADN1.NSBN3*2IDNEN*GTUBE-STANDARD-ANTI-UBE-TEST-EMAIL*C.34X
これを送信して、スパム専用フォルダに振り分けられていればOK。
スパムメールを学習させる
スパムメール学習させる。スパムメールを学習させるコマンド。
$ /usr/bin/sa-learn --spam /home/「ユーザ名」/Maildir/._Spam/
スパムメールと誤判定されたメールを学習させるコマンド。
$ /usr/bin/sa-learn --ham /home/「ユーザ名」/Maildir/cur <code> * 「ユーザ名」は自分のユーザネームに置き換える とりあえずやってみる。 <code> $ /usr/bin/sa-learn --spam ~/Maildir/._Spam/ Learned tokens from 2 message(s) (3 message(s) examined)
先ほど作成した “~/.spamassassin” を見てみると
$ ls ~/.spamassassin/ bayes_seen bayes_toks user_prefs
2つのファイルが作成されていた。
このコマンドをシェルスクリプトにして cron で毎日実行する。以下のようなスクリプトを作る。“spam-learn.sh”という名前で作成した。
#! /bin/sh # # Spamassassin spam learn script # SPAM_DIR="「スパム専用フォルダへのフルパス」" NOT_SPAM_DIR="「非スパム専用フォルダへのフルパス」" SA_LEARN="/usr/bin/sa-learn" # check program and directories if [ ! -d $SPAM_DIR ]; then echo "\"$SPAM_DIR\" is not found." exit 1 elif [ ! -d $NOT_SPAM_DIR ]; then echo "\"$NOT_SPAM_DIR\" is not found." exit 1 fi if [ ! -x $SA_LEARN ]; then echo "\"$SA_LEARN\" is not exist or can not execute." exit 1 fi # learn spam mails echo "$SA_LEARN --spam $SPAM_DIR" $SA_LEARN --spam $SPAM_DIR # learn NOT-spam mails echo "$SA_LEARN --ham $NOT_SPAM_DIR" $SA_LEARN --ham $NOT_SPAM_DIR
- 「スパム専用フォルダへのフルパス」: “/home/user/Maildir/._Spam/cur” など
パーミッションを変更して実行可能に
$ chmod 755 ./spam-learn.sh
crontab に登録する。
$ crontab -e
午前3時に実行するならこんな感じで
0 3 * * * test -x /「スクリプトへのフルパス」/spam-learn.sh && /「スクリプトへのフルパス」/spam-learn.sh
実行結果メールがいらない場合は
0 3 * * * test -x /「スクリプトへのフルパス」/spam-learn.sh && /「スクリプトへのフルパス」/spam-learn.sh > /dev/null 2>&1
- 参考URL